フィラリア予防 / ノミ・ダニ予防 / フィラリア、ノミ・ダニの予防期間 /
夏の熱中症予防(症状・特に注意が必要な犬種・原因・予防と対策・応急手当)
フィラリア予防
フィラリアの予防開始は5月からです。少し遅れても予防することが大切です。今年のフィラリア予防がまだの方は、お早めにご来院ください。
飲み薬にされる場合は11月末まで毎月1回お薬を飲ませてあげてください。
また、注射での予防も可能となりました。注射は1年間効果がありますので、年に一回接種するだけでフィラリア症を予防できます。
投薬前には、フィラリアに感染していないことを確かめる『血液検査』が必要です。
感染してしまっているワンちゃんに予防薬を投薬するとショック(最悪の場合は死亡)を起こしてしまうことがあります
ノミ・ダニ予防
今の時期は、ノミ・ダニが活発に活動しています。
ノミやダニはワンちゃん、ネコちゃんがうつしあうだけでなく、人が外から運んできてしまうこともあります。そのため、室内飼いでも寄生してしまう可能性はあります。
また、ノミやダニは、血液を吸うだけでなく、アレルギー性皮膚炎、瓜実条虫の寄生などの原因となる危険性があります。
そして、ノミやダニは人にも被害を与えます。ズーノーシス(人獣共通感染症)の原因になります。
- ダニの被害:SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。犬・猫についていたマダニが人を咬む可能性があります。
感染すると発熱、消化器症状などの症状がみられます。また、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、出血症状が起きることもあります。
最近では、2022年5月9日に富山県で犬のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)感染が話題になっています。
- ノミの被害:猫ひっかき病
バルトネラ ヘンセレという菌によって起こる病気で、感染猫から他の猫へノミが媒介します。猫には症状が出ませんが、感染した猫に人がひっかかれたり、かまれたりすると、リンパ節が腫れて発熱や頭痛をおこすことがあります。
- ダニの被害:ライム病
マダニからペットや人にも感染。犬では、主に神経症状、発熱、食欲不振などの症状があります。
人では感染初期に遊走性紅斑、その後皮膚症状、神経症状、関節炎などの症状がみられるようになります。
ノミ・ダニは月に1回、背中に薬剤を滴下するだけで簡単に予防できます。
また、ワンちゃんはおやつタイプのお薬もあります。
病院で扱っている薬剤は、市販の薬剤とは成分が異なり
駆除・予防効果や安全性が非常に高くオススメです。
フィラリア、ノミ・ダニの予防期間
それぞれの一番発生する時期は☆印です。7~9月はノミやダニが最も発生する時期です!
寄生してしまう前に予防してあげましょう!

夏の熱中症予防
【症 状】
- 口を開けて、ハァハァと息苦しそうな呼吸をする
- 大量のよだれがでる
- 嘔吐、下痢
- ぐったりする
- 足元がふらつく
- 目や口腔粘膜の充血(赤レンガ色、やや暗めの赤色)
さらに、進行すると・・・
- 尿や便の失禁がある
- 筋肉の震え
- 意識がなくなる
- 全身のけいれん発作
- チアノーゼ(舌が紫色になる)
- 経過で死にいたる合併症もある
【特に注意が必要な犬種】
- 短頭種(パグ、シーズー、ペキニーズ、ブルドッグなど)
- 肥満気味の犬
- 子犬や老犬
- 心臓や気管が弱い犬
【原 因】
犬は汗腺がおもに肉球にしかなく、人間のように発汗による体温調節があまりできません。したがって暑くなると、舌を出してハァハァと速く浅い呼吸を行い、唾液を蒸散させ、気化熱で体温を下げようとします。体温調節のほとんどを呼吸に頼らざるを得ないため、その分人間よりも高温多湿の環境に弱く、特に水を充分に飲めない場合では、熱中症になりやすいといえます。
- 蒸し暑い日に車内で過ごす
- エアコンがついていない閉め切った室内で留守番させる
※エアコンをつけている場合でも…
日の当たりやすい場所で過ごしていると熱中症の危険があります。 - 蒸し暑い日に外で過ごす
- 暑い時間帯に散歩に連れ出す(肉球の火傷の原因にもなります)
【予防と対策】
●家の中で留守番させる場合
- 室内の風通しに気をつける
- 留守中はカーテンを閉めて、エアコンをつける
- ケージの中に入れる場合は、ケージの設置場所に気をつける
※窓際はエアコンを入れていても高温になりやすく、逆にエアコンの正面は冷気が直接あたって冷え過ぎとなります。 - クールマットや冷水を入れたペットボトルなどを部屋に置いておく
- 充分な水分補給ができるようにしておく
●車で出かける場合
- 車内に放置しない
- 水分補給がしっかりできるようにする
●屋外で過ごす場合
- 炎天下での激しい運動は避ける
- 外飼いの犬→ハウスにすだれなどの日除けを設置して直射日光を防いだり、日陰の涼しい場所を選ぶ
●散歩に連れ出す場合
- 日中の散歩は控える
- 早朝か夕方に散歩の時間帯をずらす
- なるべく草や土の上を歩かせる
【応急手当】
- 動物病院に連絡して指示を受ける
- ご自宅でできる応急手当
①体温を下げる
- 小型犬の場合→浴槽などで水に身体ごと浸す
- 大型犬の場合→身体をタオルで覆い、水をかけて冷やす。
濡れた冷たいタオルで身体を冷やす(頭や脇の下、内股のつけ根)
※体温を下げすぎないように注意してください。
②水が飲めるようなら、ゆっくりと冷水を飲ませる。
※飲めないようなら口を濡らしてあげる。

熱中症対策をしっかりして、快適な夏をお過ごしください。